20hour Free Scheme

2007年7月にニュージーランド政府は“20hour Free Scheme”というプランを発表した。内容は、現状の養育補助金制度とは別に、母子家庭、共働き、専業主婦など一切問わず、3・4歳児を対象に1週間20時間までのセッション費用を政府が負担する、というものだ。

しかし最終的には、政府に対してこの制度を取り入れる意思を示している施設のみに適応されることになった。

制度を取り入れる施設は、政府から支給される費用だけで、運営していかなければならないので、かなり厳しい状況になるだろう。実際この制度を取り入れるため、経費削減で保育士の解雇や施設の縮小、サービスの悪化等やむをえない。結局、公立の幼稚園は、もともと授業料はなく、寄付金でまかなっていたのだが、7月以降は寄付金の額が半額になった。

多くの私立幼稚園は、このプランを取り入れないかわりに、公立幼稚園同様寄付金の額を減額することになった。最近設立された新しい幼稚園は、受け入れ年齢を低くすることで、3.4歳児にはこのプランを取り入れ、経営のバランスをとっている。

プレイセンターやプレイグループは、参加費が1回につき2ドル程度なので、気軽に参加しやすい。そこで、ウェイティングリストに名前を載せて、入園を待っている子供や、3歳児で幼稚園がお昼からの場合は、両方を掛け持ちするケースも多い。

総合的に見ると、ニュージーランドには就学前教育の選択肢がたくさんあり、各家庭における子育ての考え方によって、選択できるのが魅力的である。

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就学前施設はどうやって探したらいいの?申し込みはどうすればいい?

ニュージーランドにはプランケット(保健センター)が各地にあり、子供が生まれてから小学校に上がるまで、様々なサービスを提供している。日本では病院で行うような発達検診や、離乳食教室、そしてプレイセンターやプレイグループの紹介までしてくれる。

幼稚園の探し方は、まず電話帳やChildcare online(http://childcareonline.co.nz)で自宅近くの施設を調べる。何件かピックアップしたら、次に政府の評価を見てみよう(http://www.ero.govt.nz)

しかしこの評価は全ての施設が評価の対象ではないので注意。どの施設も見学が可能なので、連絡してから実際に足を運んでみよう。日本のように、幼稚園主催の説明会を開いてくれるところはない。

見学の時間は、可能な限り子供たちのいる保育時間が望ましい。そうすれば子供の表情や遊び方、保育士の接し方等を観察できる。子供を連れて行くのもお勧めだ。馴染めそうかどうか反応を見れるし、何気なくトイレも見てみよう。あまりきれいでないようでは、衛生面が問題だ。

お気に入りの園が決まったら、申し込みをするのだが、園によっては空きがなく、ウェイティングリストに名前を載せて待たなければいけない。最近は、まずプレイセンターやプレイグループに参加し、実際に幼稚園に通っているお友達から情報をもらう場合も多い。

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通信学校・家庭保育サービス

ニュージーランドは面積が日本の70%程度に対し、人口は約400万人(四国の人口とほぼ同じ)しかいない。そのうち100万人は北島のオークランドに集中し、首都ウェリントンの人口が50万人、南島で一番大きな都市クライストチャーチの人口が50万人、このように3都市で国の人口の半分を占めている。

従って地方の小さな町には、幼稚園などの就学前施設が少なかったり、遠方で通えない場合もある。そこで、小中高だけでなく、幼稚園でも通信教育制度が取り入れられた。対象年齢は3歳から5歳未満で、家が遠かったり、病気がちで通園不可能であったり、保護者の都合で通園できなかったり、という理由の子供が受けられる。

まずは資格を持った先生が、保護者と一緒に学習プログラムを組む。その後、教材(本・パズル・ゲーム等)とテキストが送られてきて、それに基づき保護者と一緒に勉強するシステムだ。このシステムには、障害を持った子供のためのプログラムも充実している。

家庭保育サービスとは、資格を持つ保育者が家庭を訪問し、保育の質を管理したり、保護者の為に定期的にミーティングを開催している。保護者が個人的に契約するベビーシッターは、一般的に子守りを目的とするので、家庭教育サービスには含まれない。

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保育所・ベビーシッター

日本の保育所のような施設は、ここではデイケアとかクレシュと呼ばれている。保育時間も様々で、早朝から深夜まで預かってくれる施設もある。

クレシュは小学校の敷地内に設置されていることが多い。最近では大学のキャンパス内や、工場、企業や組織が付帯設備として運営しているところもある。その理由には、女性が出産して育児休暇を取得した後に、復帰するケースが多いからだ。ニュージーランドは待遇や所得に関して男女差がない。

その上、昔から家事育児は夫婦で分担するのが当たり前なので、主婦が復職しやすい環境なのだ。子供の送り迎えを父親がするのも珍しくはない。

日本でも見かけるようになった、買い物客やスポーツ施設に設置されたデイケアも増えてきた。しかし、資格のあるスタッフが勤務しているかどうかは、施設によって異なる。

共働きの家庭では、ベビーシッター(ナニー)と契約して、子供の送り迎えや帰宅後の世話(家事一般)、子供が小学生になってからは宿題指導等、家庭教師の役目も担う。ベビーシッターは資格がなくてもできるので、高校生や大学生のアルバイトにもなっている。

しかし、子供が小さいうちは、保育士の資格を持ったベビーシッターを雇う場合が多く、それらの情報は新聞の求職欄や派遣会社で得られる。国籍も様々なので、言葉の問題や文化・慣習の違い等のトラブルも聞かれる。

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プレイグループ

プレイグループは、地域をベースに成り立ち、プレイセンター同様、保護者が中心となって活動する団体である。プレイセンターと異なる点は、プレイグループは国籍で分かれている場合が多い。当然そこで話す言葉は各国の母国語であり、カリキュラムも母国の言葉や文化を養い、維持できるような内容になっている。

活動する場所は、公民館の一室や、教会のホールを利用して行われるので、室内遊びが主になる。活動時間は午前中2時間、グループによってスクールホリデー中も開催しているところもある。日本との違いでも挙げたように、ニュージーランドには様々な国籍の人々が生活しているので、このプレイグループが盛んに行われている。日本人プレイグループだけでも、オークランドには大きな団体で3つ存在するほどだ。

グループを設立するための許可や免許が必要なわけではないので、簡単に設立できる。しかし国からの補助金を受けるためには、教育省(文部科学省にあたる)が定める基準を満たさなければいけない。
プレイグループの中でも、太平洋諸島言語グループ(Pacific Islands languages groups)は、サモア、クック諸島、トンガ等出身のグループで、規模も一番大きい。

プレイグループの利点は、同郷の集まりなので、子供達に保護者の国の文化や言葉を教えるだけでなく、保護者の情報交換、情報提供の場にもなっているところだ。

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プレイセンター

ニュージーランド独特の教育システム“プレイセンター”は、1940年代に始まった。ここでは、子供に対する指導を先生に任せるのではなく、保護者によってカリキュラムを決めたり、運営をしている。現在では全国に約500ヶ所登録されている。

1回の時間は2時間半で、センターによって回数が週に1日から5日まで様々だ。子供の年齢も、0歳から5歳未満までならだれでも参加できる。3歳未満は保護者が必ず同伴しなければいけないが、3歳以上になると子供だけで参加することも可能。

保護者は、当番でセンターの運営に当たることになっている。そのため、プレイセンターのプログラムの一環で、子育てに関する知識や技術についての勉強会に参加することを義務付けられている。プレイセンターに通う子供たちは、色々な遊び(粘土・砂遊び・外遊び・水遊び・積木・パズル・お絵かき・絵本等)の中から、自分の好きな遊びを選ぶ。大人は子供の遊びの手助けや、絵本の読み聞かせなどをする程度で、子供のペースで活動させる。

プレイセンターの利点は、保育者数(大人の数)と子供の数の比は1:5と決められているので、子供たちも多くの大人と接触を持つことができる。子供の年齢も様々なので、年上の子が年下の子を思いやる場面も見られる。

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私立の幼稚園

私立の幼稚園は、受け入れ年齢が2歳からのところもあり(ただしトイレトレーニングが終わっている事)、その場合保護者も一緒に付き添わないといけない場合もある。

保育時間は幼稚園によって様々で、公立幼稚園のように年齢で分けているところもあれば、時間で分けているところもある。また、スクールホリデー中も保育をしているところもあるので、共働きの家庭には大変ありがたい。そのような幼稚園ではAfterschool program(学童保育)やSchoolholiday program(小学校低学年の長期休暇用の保育)も併設されているので、兄弟で通っているところが多い。

通園の回数も園によって規定があり、ほとんどの園は最低でも週に2日は通わないといけない。カリキュラムは園独自で設定されているので、学習を目的としていたり、海外からの生徒の受け入れ可能な園もある。

1日保育をしている園では、お弁当やおやつを持参させるところもあれば、手作り給食やおやつを出すところある。園の規模も様々で、公立幼稚園のように広いところもあれば、個人の家を改築したところもあり、小規模で外からでは一見幼稚園とわからない。

最近ではバスによる送迎サービスも始まったが、一般的ではない。私立幼稚園の利点は、保護者の育児に対する考え方と、園の考え方やカリキュラムが同じところで子供を学ばせることができる。家庭環境によって1日保育やホリデープログラムを選ぶことができる。

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公立の幼稚園

公立の幼稚園は、2歳になったら入園申し込みができ、3歳になったら入園できる。地域の制限はないので、気に入ったところに申し込みはできるが1校しか選べない。

3歳児のクラスは、週に3回午後1時から3時半まで。4歳児のクラスは午前9時から12時まで毎日通う。1年に4回スクールホリデー(小中高と同じ)があり、10週通って2週休みのパターン。12月後半から1月末もしくは2月上旬までが、夏季休暇になる。

おやつは週の始めに、果物(人参も可)を2つ持参する。みんなの果物を集めて、保育者や保護者が切り分けて、おやつの時間に配る。保護者は学期に1,2回、幼稚園でお手伝いをすることになっている。子供と一緒に遊んだり、果物を切り分けて配ったり、後片付けをしたり等。

政府が定めたカリキュラムに従って保育をしているが、子供の自主性を尊重している。自由遊びが主で、集団で行う歌の時間やダンスの時間も、参加したくない子供には無理強いさせない。

先生の数は生徒の数に対して少なめ(40:3)。連絡帳も無いので、園の様子や相談事は直接会って聞かないとわからない。外遊びの遊具は充実している。砂場やブランコの上には日よけの用のシェイド(テントのようなもの)が張られ、子供たちを紫外線から守っている。地面にはウッドチップやゴムで覆われ、転んだり落ちても大ケガしないようになっている。

このシェイドの資金も保護者からの寄付による。寄付の方法は、Fund raiserと呼ばれ、保護者がメーカーで寄付のために特別に作った板チョコやクッキーを、近所や親戚に販売するシステムがある。公立幼稚園の利点は、基本的に幼稚園の近くに住んでいる子供が通うので、送り迎えに時間がかからない事、小学校に上がったときに既に顔見知りの子がいる事があげられる。

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先住民族“マオリ族”の保育施設“Te Kohanga Reo”

今、ニュージーランドでは、マオリ文化やマオリ語が見直されている。義務教育でも積極的に教えられているし、町の看板も英語とマオリ語で書かれる様になった。

マオリ族の保育施設“Te Kohanga Reo”(言葉の巣、という意味)では、長老と呼ばれるマオリの先生が、伝統あるマオリ族の文化や言語、ダンス等を子供たちに教えていく。マオリ族の教育方針の例を挙げると

   ○ 与えることにこそ名誉がある。協力してお互いを助け合おう
   ○ 多くの親族を含む家族にも、親密な結びつきがある
   ○ 接触・接近は愛情表現である

1980年代の初めに急速に拡大したテコハンガレオも、最近は他の人種との婚姻が理由で、純粋なマオリ族の減少のために深刻な問題となっている。政府も支援をしているのだが、マオリ文化や言語を伝承してくれる若い先生が育成できないことや、施設の数が年々減少しているので、存続が危ぶまれている。

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ニュージーランドってどんな人種や民族が住んでるの?

ニュージーランドでは、5歳の誕生日の翌日から小学校(Primary School)に入学するシステムになっている。

そこで、就学前というと0歳から5歳のお誕生日前日までになる。日本と決定的に違うところは、ニュージーランドには、たくさんの民族が住んでいることだ。ヨーロッパ(主にイギリス)から移住してきたパケハと呼ばれるグループ、中国人を始めとするアジア人、先住民族のマオリ族、最近ではインド人や南アフリカ人も急増し、世界中から集まっている。

特に最近のオークランドでは移民の増加で、子供たちだけでなく、施設で働く保育者達の国籍も様々だ。施設の形態も、一定の年齢に達した子供が通園する日本の幼稚園や、乳児から小学校入学前までフルで預かる日本の保育園のようなタイプもあるが、移民の国独特の施設や、先住民族の為の施設が存在するので、順を追って説明していく。

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